米国・フロリダ州在住の女が、カーディーラーから車を窃盗する際に自ら警察に通報し、あっけなく逮捕されるという出来事があった。
これだけ聞くと、怪盗を気取って犯行予告でもしたのかと思うが、その理由は「事前に警察に知らせておけば、(窃盗が)合法になると思った」という、斜め上のものであった。
フロリダ州のリー郡保安官事務所が5日に発表したところによると、逮捕されたのはクリスティ・ターマン容疑者(37)。同事務所はFacebook上で公開したライブ配信で、ターマン容疑者が実際に通報してきたときの音声と、逮捕時の映像を公開している。
「今から、法的に自分のものではない車を盗むので現場に来てください。ちゃんと報告しましたからね」
ターマン容疑者
言うまでもないが、あらかじめ警察に通報すれば窃盗が合法になるというルールは存在しない。通報を受け、現場に警察官が駆けつけると、ターマン容疑者は盗まれたトヨタ・カローラの運転席から悠然と現れたという。
容疑者によると、車の盗み方は「コールオブデューティ ブラックオプス」というFPSゲームで学んだといい、その後は従来の主張を繰り返したが、そんな道理が通るはずもなく、その場で逮捕された。
保安官事務所によれば、ターマン容疑者には窃盗や強盗、傷害などの前歴があるという。TVゲームで車の窃盗を学んだというのも驚きだが、「事前に通報すれば犯罪が合法になる」という発想はどこで得たのか明らかにはなっていない。
なお、フロリダ州では2022年にも、麻薬密売人から購入した覚醒剤が偽物ではないかと疑い、警察に鑑定を依頼した男が逮捕されるという事件が発生している。馬鹿正直とはまさにこういう人々のことを指すのではないだろうか。